今回は、英語学習本のベストセラーになっている、
森沢洋介氏の 『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』を紹介します。
この本を単体でレビューしているサイトも多数ありますので、
取り組む方はさまざまな情報が頭に入ると思います。
中には、辛口な批評を書かれていたりします。
この本は、読んでみて、確かに不自然な表現が多いので、
その部分だけを取り上げて、「ネイティブは使わない表現」や「稚拙な日本語訳」や「基本の段階で悪い癖がつく」などのよくない評価も目につきます。
しかし、それはあえて「基本」を身につけさせるためにこういう構成になっているのであって、
これをそのまま暗記して、それで会話ができるようになるという意図で作られたものでは、ありません。
そこを理解しないと、「この本ではダメだ」というネガティブな理解につながるのではと思います。
著者は、「瞬間英作文トレーニング」について、冒頭の約30ページを費やして、非常に詳しく説明しています。
そこが、本文よりも重要な場所なので、トレーニングを始める前に、しっかりと読み込んでおきましょう。
Contents
瞬間英作文トレーニングとは、「文型練習のトレーニング」である
英会話には、英語の基本が必須です。
この本は英会話集ではありませんし、「英文を読んで覚えればネイティブのように話せるようになる!」ものでもありません。
そんなことは紹介文にも本の中にも一切書いてありません。
英語の基本を身につけるには、トレーニングが必要です。
著者が「瞬間英作文トレーニング」の対象として想定しているのはどのような人々なのでしょう。
「実際、英語を継続的に勉強していて、読むことが得意で、リスニングもかなりできるのに会話となるとからっきしという人が多いものです」
引用:『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』序文より
こうした中学レベルの英語学習を終えた人が実際に英語を「話せる」ようになるためのトレーニングなのです。
トレーニングは、3つのステージに分かれています
第1および第2ステージは、中学レベルの文型で瞬間に、反射的に英文が作れるようになる、トレーニングをするステージ。
この2つのステージを終える事で、英文が瞬間に口から出てくるようになる「英作文回路」が設置されるとの事です。
そして第3ステージは、その完成した「英作文回路」を利用して、中学英語の枠を超え、学習者の英語を勉強する目的や目標レベルにあわせ、より実践的な表現を習得していくステージになります。終わりなき学習の始まりです。
それぞれのステージで使用する教材
第1ステージでは、
「文型練習のトレーニング教材」を使います。(第2ステージは、第1の応用編を使用)
中学文法レベルの文法・構文をいちいち考え込むことなく使いこなせるよう、反射的に反応できるレベルにまでもっていくことを目的とした教材です。
つまり、この本です。
第3ステージでは、「生きた表現」、「自然な表現」、「ネイティブが使うような表現」などの実践的な表現を継続して学んでいくための文例集や構文集をあげています。
英文は簡単なものを使っています
第1ステージのトレーニング教材として書かれた本書に収録されている例文の特徴は、語彙や表現に難しいものが一切入っていない、簡単なもの。
なぜかというと、著者が強調しているのは、
文型を使えるようになるには、反射的に使用する文型が頭に浮かぶようにする事
なので、その妨げとなる、ややこしい単語や表現は排除されています。
だから、本書の例文には、「私は誰?ーあんたは私の娘だよ。」のように、不自然なほど直訳的なものが多く記載されていますが、著者のいう「瞬間英作文トレーニング」の目的を理解すれば気になりません。
読者も、第1ステージ用の「文型練習に特化した教材だ」ということを判って学習しているはずです。
ボクは、本書が読者として想定している人々の頭の中に、「中学レベルの文型」を用いて「英作文回路」を設置するためのテキストとして非常にすぐれていて、英語学習に効果的なツールだと思います。
取り組み方
目的は、「簡単な英作文を楽にたくさん作って英作文回路を作る」ことなので、そのために意識して行う事をまとめてみました。
- 重要なことはスピードとこなす量
- 英文が出てこないときは考えこまず答えを見る
- 記憶の定着のため、必ず英文を口に出して何度か繰り返す
- 「脳」から「口」への回路を短くすることを意識する
取り組み方としては、基本的にはテキストに書いてある通りです。
パート1を、3つのセグメントに分けて、セグメント毎に取り組みます。
具体的には、文型1から文型11の「命令文/Let’s〜」までを一括りに取り組みました。
著者の推奨の通りに、10の日本文が流れるように連続して瞬間英作文が出来るようになるまで取り組み、全てのセグメントをやり終えます。
そして次のパートに進みます。
パート2もこれの繰り返しです。
例えば、普段の生活でこのトレーニングを組み込むには、
ボクの場合は、クルマの通勤で片道30分程度かかりますので、その時間を利用しています。
付属のCDを使います。
日本語を聞いて瞬間英作文を行い、うまく言えない場合にはその英文をチェックするなどして覚えておき、次の文に移る。
それを各ページ3回行い、次のページに移る。
今は往復の通勤時間1時間を基本的にこの練習に当てています。
実際にやってみて分かることは本文を何周かすると、日本文から英文を作る負荷が非常に軽くなってきます。
楽に瞬間英作文を行いどんどん頁を進めるようになっても、記憶を長期記憶にするために、さらに何周も行う必要があるとの事です。
仕事の合間に取り組むのも可能ですが、実際にやってみると、眠くなります。何かで読みましたが、普段使わない脳を使っているため疲れやすいとのこと。
自分で車を運転しての移動中は、声を出して取り組めるので、ベストな環境ですが、何度か繰り返していると、頭がボーッとしてきますので、安全運転の範囲内で取り組みましょう。
まとめ
「瞬間英作文トレーニング」に取り組まなくてもいい方。
書店で手に取り、パート3の何ページ分かの日本語をみて瞬時に英文を作り出せるか試してみて下さい。
ここで文法的に間違いがない文を瞬時に作れた方には、この本は不要です。
この本は第1ステージ用の教材です、なので、第3ステージ用の教材を調べてご活用下さい。
現在、ボク自身は第1ステージに取り組んでいます。
ここを、大事に取り組み、他の英語学習に確実によい影響を及ぼす第3ステージに早く到達したいです。
取り組まれている方は、単調になりつつあるトレーニングをご一緒に乗り切りましょう!
参考書籍 : 2010年 ペレ出版 森沢洋介 『CD BOOK どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』
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