今回は、社会人の英語学習ツールとして、『ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の大百科事典』をおススメします。
分かりやすい英文法の本、おススメ、英文法の参考書で検索したら、この本が出てきました。
この本は英語を社会人になって再び勉強を始める人や復習する人にとって分かりやすい本です。
また、ある程度、英語を勉強してきた人にとっても、これまでに理解していた文法(この本では英語のルール)を全く別の切り口で説明してくれるので、認識が深まります。
イラストを多用し、分かりやすく、イメージとして記憶に残りやすいです。
受験英語やTOEICテストの勉強とは、全然違う、でも、こういった形で英語を勉強していく社会人もありかなって、思わせてくれます。
この本の目的は、簡単な英語の仕組みを頭に入れたら、英語の読書をスタートしましょう!という趣旨なので、この本を読み終えたら、実際に英語の読書を始めましょう。
この本を一度、最後まで読めば、洋書の読書への道が開きます!
Contents
この本の概要
本の内容を大きく分けると8個の章からなる英語の大百科事典とビッグファットキャットシリーズの読み物とその解説と付録に分かれています。
付録には英語のブックガイドと矢印辞典が付いています。
最初の大百科事典ですが、英語の文法をまるで絵本や漫画を読んでいるかのように、感覚的に理解出来るような説明になっています。
一般的な英語の参考書に登場するBe動詞や一般動詞、前置詞や副詞、そして形容詞などの文法用語は全く使いません。
文の構造を説明する時も、主語を主役、目的語を脇役、形容詞は化粧品、前置詞は小道具と表現し、猫のイラストや主役が入る箱を効果的に使い、英語の仕組みを解り易く説明してくれます。
過去完了などもセピア色に色あせた写真のイラストを使い簡単に説明してくれます。
ビッグファットキャットシリーズの読み物は、最初の大百科事典に登場する、可愛いキャラクターたちが活躍する、少し切ない、でも面白くて読みやすい、30ページぐらいの物語になっています。
もちろん、読み物のあとには、大百科事典における英語のルールに則した、語句の解説が載っています。
付録のおススメの洋書コーナーは、人それぞれのレベルに合わせて、初心者向けから上級者向けまで、洋書のタイトルとあらすじが載っています。
この本に収録されている「ビッグファットキャットシリーズ」の読み物を難しさの指標にして、これより難しいとこれより易しいと分けてあるので、分かりやすいのではないでしょうか。
最後の矢印辞典ですが、この本における矢印とは、ごく普通の参考書における「一般動詞」の事なので、その中でも頻出の単語の用途、変形、その単語の本来の意味をキャラクターたちのイラストを使った、とても分かりやすい解説があります。
本当の英語を読みましょう!
一番英語を知らない日本人でも、思っているよりずっと多くの英語の知識を持っています。―――問題は、それが未完成のパズルのピースのように、バラバラに頭の中にあることです。
3P 冒頭の、「ひみつを教えましょう。」より
この本の結論は冒頭にも書きましたが、「本当の英語を読みましょう」です。
上記にあるように、未完成のパズルを完成するためには、完成見本である、本当の英語を読みましょうと言う事です。
学校などの授業では完成見本のかわりに設計図を渡している、設計図とは今まで学校の授業で習ってきた、文法の事です。
設計図である文法を徹底的に勉強するよりも、完成見本である、英語の雑誌や小説、コミックスなど、自分の好きなものを読むだけで、パズルにおけるバラバラのピースが組み合わさり、やがて英語が分かる瞬間が訪れますよ、と書かれています。
そのために、少しのルールとコツを勉強しましょう、という感じです。
もし、子供に英語を教えるなら、この本のようにイラストを使いイメージ先行で教えた方がいいと思いました。
英語に慣れた人は、すべての単語になんらかの「イメージ」を持っています。そのイメージを次々に思い浮かべていくのが英語を読むということです。
13P まえがき より
英語圏の人たちは言葉を覚え、話し始めたる時から、ひとつの単語にイメージを植えつけていくんですね。
例えば、catと聞いたら、その時の体験や映像、つまりイメージが記憶に残ります。
でもボクら語学修得者は、cat → 猫 → イメージ。
英語を一旦、日本語に翻訳して読むように教わるからです。
また、英語の文章に関しても、日本語にした単語を日本語の語順に並び替えて読んでいくように教えられたはずです。
これが、英語を勉強する上で大変なこと、労力のかかる事であると書かれています。
なので、ルールとして文章の区切り方さえ学べば、あとは、区切られた文章をイメージとして、想像していくだけです。
これが、本当の英語を読むという事ですね。
一般的な参考書では過去完了の説明になるんですが、物語の中では、文章が単なる過去の出来事から、have が付くことで、「回想文」になるという解説です。
過去のイメージとして写真があり、その写真が「回想文」になるとセピア色にかわるイメージです。
思い出の絵を語り手が、「こんな事もありました」と説明しているイメージです。
そこに、語り手の気持ちの「含み」を読み取りましょうと書かれています。
英語の読書のための簡単なルールとしての解説なので、とても分かりやすいです。
まとめ
今、資格や受験のために時間に追われ、英語を勉強している人には、この勉強法は向かないのかもしれません。
受験に直結する勉強としては、当たり前ですが、読書よりもスコアアップに必要なテクニックや問題の解法を覚えたほうがいいと思います。
ボクがこの本をおススメしたい人は、いい文法のテキストに巡り会えず、いきなり高度な問題に取り組む事となり、英語の勉強が嫌になった人です。
もし、そんな人がいれば、まず、この本を読んで、自分に合った英語の読書をこなせば、以前につまづいた文法のテキストを超える、英語のイメージがうまれると思います。
出典元:「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の大百科事典」向山貴彦 たかしまてつを 幻冬舎 2017